東京の地位(じぐらい)~都心にも罠あり~

地位(じぐらい)とは、土地のグレード、ブランド価値の高低を表す言葉です。
この地位を知ることで、土地勘も養えますし、「住宅用」「投資用」含めた不動産購入の参考にもなります。広く知られているのは東京都港区の3A(赤坂、青山、麻布)ですね。
このあたりのエリアは江戸時代から権力者や富裕層が住んでいたことでブランド化している土地であり、範囲を広げると「山手線内側」も地位の高い土地として知られています。
※山手線内側であっても、それこそ赤坂であっても、赤坂二丁目のコリアン街や白金の一部の元部落エリアは「あまり知られていないしデベロッパーも隠しますが」地位は低いですね。

地位(じぐらい)が高いエリアの特徴

簡単に言えば、昔格の高い人が住んでいたところ。主に丘の上です。
上記の港区の3A(赤坂、青山、麻布)についても、江戸時代は一体武家屋敷でした。
ただし、ブランドエリアの中でもかつては貧民窟があったような場所は地域の人からは忌避されており、
丁目が変わると価格が大きく異なっていたりします。

地位(じぐらい)が低いエリアの特徴

上記の地位(じぐらい)が高いエリアの逆、低地の庶民エリアです。
特に被差別部落民が住んでいた地域は地位(じぐらい)の低い場所となります。

地位(じぐらい)の本質的な意味と現代の価値観

ここまで読んで勘のいい人はわかると思いますが、地位(じぐらい)は防災的観点と高い相関があります。
固い地盤の高い丘の上は、水害や地震によるリスクが低く、逆に軟弱地盤の低地は災害リスクが高いのです。
こうした関係の中で、かつては地位(ちい)の高い人が地位(じぐらい)の高いところに住み、地位(ちい)の低い人は地位(じぐらい)の低いところに住んだ(住まわされた)のです。
ただし、この価値観が現代にもそのままそっくり適用されているかというと、そうではありません。
今は土木技術も向上し、建物も壊れやすく燃えやすい木造から、壊れにくく燃えにくいRCになっています。(細かく言えば木造も強いものは強いのですが)
また、現代の不動産選択において欠かせない要素に「交通アクセス性」があります。便利な路線の駅チカが基本的には価値を認められます。
高い丘の上であっても、駅から遠かったり、近場にスーパーが無い場合には、万人の人気を獲得できる状況ではないでしょう。

それでも色褪せない地位(じぐらい)の観点を持つ価値

地位(じぐらい)の考え方が現代における不動産選択基準(人気度)と乖離してきているとはいえ、地位(じぐらい)を知っておくことの価値は大いにあります。
それは地域に根付いた治安傾向であるとか、そもそもの地位(じぐらい)がついた理由である耐災害性の理解に役立つからです。
埋立地の湾岸エリアや北千住などの低地においては、今はいいかもしれませんが定期的な災害においてしっかりダメージは受けます。
※湾岸は逆に災害に強いなどと喧伝されていますが、液状化リスクはしっかりあります。
こういうのは普段から強く意識されるものではないですが、発生したときのインパクトがとても大きいもの。
長期的な目線を持つべき家選びや不動産投資においては、良く頭に入れておくべき要素なのです。

そうした地位(じぐらい)を知る1つの方法は地価を調べることです。

以下、東京23区における2016年の地価ランキングです。
こうしてみると、「都心5区」と呼ばれるエリアであっても、
都心5区外の台東区(秋葉原、上野)、北区(赤羽)より価値の低い所もあるわけです。

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